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社訓十ヶ条

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2009.09.29(火)

名古屋城の出会いに感謝。

[ 代表取締役社長 丸山輝 ]

皆様、今月も残り僅かとなりましたね。8月の大阪店勉強会に続き、9月は名古屋店の勉強会が御座いました。名古屋店の方、またはTVモニターにて勉強会に参加された全国の皆様方、本当にご苦労様でした。この勉強会の為に私は毎週末を名古屋で過ごしていましたが、楽しみとなっていたのが名古屋城周辺のウォーキング&ジョギングです。早朝の名古屋城周辺は空気がとても澄んでいて、緑の香りが気持ちよく、城を眺めながらのジョギングはとても贅沢なひと時でした。更に心に残ったのは、すれ違う人達の「おはよう御座います」の挨拶がとても大きな声で気持ちが良かった事です。私は全国にてウォーキング&ジョギングを行なっておりますが、「おはよう御座います」の挨拶は名古屋の人達の挨拶が今までの中では一番気持ち良かったです。正確に言いますと、「名古屋」の中でも「名古屋城」に朝早くに居た人達です。

そんな贅沢なジョギングを楽しんでいる勉強会最終日の朝、加藤清正の銅像の脇を走り抜けて行こうとすると、目の前の芝生でストレッチをしている人が視界に入りました。私は名古屋の人達との「おはよう御座います」の挨拶はとても気持ち良い、と感じ入っていたので、当然、自ら挨拶をしようと思ったのですが、その瞬間に「おはよう御座います!一寸宜しいですか?」と先方から声を掛けられました。スポーツウェアに身を包んだこの方は、ウェーブがかった少し長めの髪型に白い髭を蓄えた格好の良い中年です。「済みませんが、加藤清正公との写真を撮ってもらえませんか?」との事。まだ時計は朝6時を回ってない時間です。こんなに朝早くに知らない人に撮影を頼まれたのは初めてです。私はその方に「観光ですか?」と質問すると、その方は「いやー以前、支店長で名古屋に赴任してきたときに、うつ病になって自殺未遂を2回起こしてしまった事があり、診察して頂いた先生に『定期的に名古屋に行って自分を見つめ直しなさい』て、言われておりましてね、それで年2回は名古屋に来ているのですよ」と明るく話すのです。私は自らの自殺未遂について明るく話しをする目の前の中年に面食らいつつ、慌しくなる朝を向かえるべく、ホテルに向かってジョギングを再開しました。走りながら、私の一番の親友が躁うつ病になったときの12年前の事を思い出していました。


私は小学生以来の親友である彼の事を、他の誰よりも理解していると自負していました。
彼は世界中の誰もが知っている大手企業に勤めていましたが、転勤によって私達は会う機会が徐々に減っていきました。病気になる前の彼は、幸せを絵に書いたような人生でした。色黒で身長180cm程ある逞しい体の彼は、笑うと愛嬌があり、当たり前に女性にもてました。仕事にも真面目に取り組んでいましたので、職場での出世も順調でした。素敵な女性と結婚をし、子供にも恵まれ、新築のマイホームも20代で手に入れました。そんな彼に異変が起きたのは、彼の妻が2人目の子供の出産の為に長男を連れて実家に戻っていた時でした。「精神病院に入院しました」と、彼の家族から知らせが入ったのです。話によると、知らない人の家に上がりこみ、なんと、仏壇を壊していたというのです。駆けつけた警察官に取り押さえられ、そのまま精神病院に送られたとの事でした。私は早速その病院に駆けつけました。始めて行ったその場所は、今迄に見た事が無い鉄格子に囲まれた、人の出入りが自由に行なえない病院でした。別人のようになってしまっている彼への面会を終えると先生に呼ばれてこう言われました。「今の彼には、ストレスを与えてしまう人との接触は禁物です。職場の関係者はもちろんですが、家族にもプレッシャーを感じています。彼にとってストレスが生まれない相手は、幼い頃からの友人のあなただけです。出来るだけ会いにきて下さい。」との事でした。その日以来、仕事の時間を削ってはその病院に通うようになりました。しかし、通いながら「彼はこの病院からは、もう退院出来ないのではないか?」という気持ちを強く抱いてしまうほど、彼の様子はあまりにも本来の彼ではありませんでした。話しをしていても、手紙を書いても、何をさせてみても、ともかく全てが本来の彼ではないのです。先生からは「合う薬を見つけているところだから、もう少しのところだから。」という当時の私には理解出来ない返事です。こんなに別人になってしまっているのに、試している薬の中で「合う薬」というものがあれば、元通りの彼に戻るものなのか信じられませんでした。

それから数ヶ月して、彼は無事に退院しました。退院して直ぐに私の結婚式があり、彼は入院している時から考えていたという友人代表のスピーチをやってくれました。今は笑い話になるのですが、まだ調子が100%戻っていない彼のスピーチは無残なもので、新郎側の家族は皆、顔を下に向けてしまっていたようです。その後、彼はリハビリが終ると完全に元通りになり、あの入院生活が無かったかのように元の職場に復帰し、家族4人で幸せに暮らしています。躁病やうつ病などになった人で、無事に職場復帰出来るかどうかについては、結局、本人の病気に対する自覚が有るのか否かだと思います。殆どの人が少し良くなったらもう大丈夫だろうと薬を飲まなくなり、病院にも行かなくなります。そして季節の変わり目などに再発病し、突然、職場を去ってしまうのではないでしょうか。その後、転職しても同じことの繰り返しです。私の親友の彼は、病気は治らずに付き合っていくものだと自覚していますので、薬は一生涯飲むつもりでいます。ですから発病から10年以上経った今も、病院で薬を貰い、欠かさず飲んでいます。そのお陰で無事に幸せな生活が送れているのです。誰にでも生きていく上で必ずストレスはあるものですが、何か調整が上手く出来なくなったりすると人は病気になるのでしょう。しかし、今はとても良い薬が有ります。決して直らないことは無いのです。弊社でもうつ病と診断される人は当然います。私は常々このような病気について社内で話をしていますが、実際に病気と向き合っている人は少ないような気がします。なぜなら、病気と診断されたにも拘らず適切な治療をせずに、その治療から逃げている人が多いからです。逃げては駄目です。目を背けていては何事も前には進みません。問題から逃げて見ないようにすればするほど、何事も取り返しが付かない事になるのです。人生には色々な挫折が付き物ですが、多くの挫折を経験している人のほうが魅力的だと思います。名古屋城前で会った中年の方はとても魅力的で素敵な笑顔でした。あの中年の方が、病気から逃げたのか、向き合って受け止めた結果、乗り越える事が出来たのかは本人に聞いてみないと分からない事ですが、名古屋の地に年2回、自分を見つめ直しにこられているという事が、全てを物語っているのはないでしょうか。人の優しさと挫折という現実、それらを謙虚に受け止めた上で乗り越えて行く事の繰り返しこそ人生なのだと再認識させられた9月の名古屋出張でした。


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