カテゴリーリスト

バックナンバー

閉じる

フォーシーズ社員専用ブログ

企業理念

企業理念


社是

社是


社訓十ヶ条

社訓十ヶ条

2021.03.11(木)

【判決は貸主保護ではなく、借主保護の為】

[ 代表取締役社長 丸山輝 ]

 皆様、お疲れ様です。
この度、大阪高裁にて判決が下されましたね。半蔵門総合法律事務所の岩田先生を始めとする弁護士の先生方に厚く感謝申し上げます。また、温かい応援を賜りました関係者の皆様方にも重ねて感謝申し上げます。

 今回の全面勝訴判決後、多くの報道機関から誤った報道がなされましたし、その報道の所為か、やはり誤った捉え方をされている方々が多く見受けられます。何が誤っているかと申しますと「判決により、保証会社や貸主は、家賃滞納が2か月となれば、借主の同意なく、勝手に荷物搬出が出来る」というものです。しかし、これは完全に間違いです。

当然ながら、家賃を滞納した借主に賃借物件を明け渡していただく場合には、まず、貸主側(保証会社側)から契約解除を行う必要があります。家賃滞納により契約解除が認められる為には、3か月の家賃滞納が必要です(弊社の保証契約の場合)。しかも契約解除したからといって、借主が賃借物件を使用していれば、借主の同意なく荷物搬出などの明渡行為が出来る筈もありません。裁判を行った上で勝訴した後、執行の申し立てを行い、やっと強制執行により明渡しとなるのです。この間、短くても10か月ほどの家賃滞納が積み上がります。これは、後に滞納者の方から払って頂くものですし、実際に弊社では払って頂いております。しかし、滞納者と呼ばれる方の中には、さっさと明渡しをして契約を終了させてほしい方もいますし、とっくの昔にそうなっていたと思っていらっしゃる方もいるのです。そういう方たちにとっては大変不幸な事ですよね。結果として多額の負債を背負ってしまうことになるのですから。

頭から、契約条項が貸主保護(貸主の利益追求)の為にあると思い込んでいる人には、私が述べている事がさっぱり意味不明で理解が出来ない事でしょう。この条項は、借主が賃借物件から退去したけれど、何らかの事情があってきちんとした明渡行為がなされていないときに、その意思に反して滞納家賃という負債を増加させない為の、借主を保護するための条項であり、決して貸主(保証会社)を保護する為の条項では無いのです。この点は、大阪高裁の判決でも、「原契約賃借人が受ける利益は小さくない」と明示的に言及されています。
誤った認識を持たれている方は、「2か月間入院して音信不通となれば、勝手に荷物搬出が出来る(されてしまう)!」と間違った事を言います。借主本人から解約通知や退去の意思が示されていないときには、客観的にみて借主の「占有しない意思」がある事(厳密には、「本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情」が存する事)が必要であり、このことを示すには、相当の証拠が必要です。前述の入院の場合、期間が2か月でも3か月でも半年だとしても、むしろ「占有する意思」がある事が誰から見ても分かるものです。この点は、大阪高裁の判決でも、「賃借物件での居住生活に必要な動産類がそのままの状態で残置されていたり、電気・ガス・水道の利用契約が存続し、電気の使用が継続していたりするなど、原契約賃借人が賃借物件を再び占有使用する意思の存在をうかがわせるに足りる外形的事実や客観的状況が複数存在するのが通常であり」とされています。
占有する意思があるにもかかわらず、家賃を払って頂けない場合に明渡しを求めるのであれば、裁判を行うほかに方法はないのです。裁判を経ずに荷物搬出を行えば、家賃滞納者から「占有する意思が有った」と後から言われるのは必至です。

この度の原告であるNPOに対して、批判的な事を言われる方も多く見受けられます。しかし、私は、彼らは彼らの正義を全うしているだけなのだと思っています。人の考え方や行動規範は人それぞれ違うものです。私達は私達の正義の為に、日々、精進しています。しかし、原告NPOの方達は、その正義の為に、日々、精進している事でしょう。彼らの存在が、新しい気付きを与えて下さっているものだと、私は感謝しています。

 皆様、頑張って参りましょう!

毎日の記事は下記リンクから閲覧できます。

代表取締役社長 丸山輝の記事は下記リンクから閲覧できます。
ページのトップへ

カテゴリーリスト


最近の記事


バックナンバー

カテゴリーリスト

最近の記事

バックナンバー

ページのトップへ